里親とは、さまざまな事情で飼い主を失った保護犬や、繁殖の役目を終えた引退犬などを家族として迎え入れる仕組みのことです。ペットショップで購入するのとは異なり、「命を繋ぐ」という社会的意義がある選択肢として注目されています。
里親になるには、犬が二度と悲しい思いをしないよう、飼育環境や家族構成などの確認が行われます。一見ハードルが高く感じられますが、大切なのは「最後まで責任を持って愛せるか」という意志の強さです。
今回は、「共働き・未就学児」という一般的には厳しいとされる条件でも、実際に里親になれた我が家の体験談をご紹介します。
里親として犬を受け入れるための厳しい条件

譲渡場所によって基準は異なりますが、厳しい保護団体や保健所では、犬の幸せを最優先するために以下のような条件が設けられている場合があります。
①家族構成と年齢の制限
一人暮らしや高齢者世帯、未婚のカップルは、将来の飼育継続リスクを考慮して不可とされるケースが目立ちます。 特に60〜65歳以上の世帯では、犬の寿命を考えた際、万が一の時に引き継いでくれる後見人が必要になるなど、非常に厳密なチェックが行われるのが一般的です。
②同居家族全員の同意
家族の中に一人でも反対している人がいる場合、譲渡は認められません。 特に小さなお子さんや高齢のご家族と同居している場合は、アレルギーの有無や、犬との生活による事故のリスクがないかを慎重に判断されます。家族全員が「新しい家族」として迎え入れる準備ができているかが問われます。
③完全室内飼いと住居環境
庭や玄関先での外飼いは不可とされ、ペット可物件である証明書の提示が必須条件となります。 賃貸マンションやアパートの場合は、管理規約や賃貸契約書の写しの提出を求められることもあります。犬が安全に、かつ周囲に迷惑をかけずに暮らせる物理的な環境が整っているかが重視されます。
④留守番時間の長さ
フルタイム勤務など、長時間の留守番が発生する家庭は敬遠される傾向にあります。 「子犬の場合は4時間以内」など、具体的な制限時間を設けている団体も少なくありません。犬の精神的なケアや体調変化にすぐ気づける環境にあるかどうかが、審査の大きなポイントとなります。
⑤経済力と適正飼育の約束
安定した収入があり、将来の医療費やフード代を無理なく負担できることが求められます。 また、不妊・去勢手術の実施や、狂犬病予防・マイクロチップ装着といった法律上の義務を必ず守るという誓約も、里親になるための必須条件です。
⑥自宅訪問による環境調査
保護団体のスタッフが実際に自宅を訪問し、脱走防止対策や飼育スペースの安全性を確認します。 書類上のやり取りだけでなく、実際の生活空間を細かくチェックされることで、犬にとって最適な環境かどうかを客観的に判断されます。
⑦譲渡費用の負担
ワクチン代や去勢・避妊手術費用として、数万〜10万円程度の譲渡費用が発生します。 これは「犬を売る代金」ではなく、それまでにかかった医療費の清算や、次に救われる犬たちのための活動資金として活用される大切な費用です。
実際にあった厳しい里親譲渡の条件

SNSやQ&Aサイトでは、里親を希望したものの「条件の壁」に阻まれた切実な声も見られます。SNSや知恵袋で見られたリアルな声は、以下の通りです。
保護施設の譲渡条件が厳しすぎて諦めました。高齢者NG、共働きNG、小さい子どもNG…。結局どんな人なら譲渡してもらえるんでしょうか?
引用元:Yahoo!知恵袋
譲渡会や保護団体って、なぜ譲渡条件が厳しいのですか?
最近犬や猫を飼いたいと思い、保護団体の譲渡ページを見ていたのですが、「独身NG」「共働きNG」「お留守番時間制限」「子供がいる家庭は不可」などかなり条件が厳しいです。
なぜこんなに制限されているのでしょうか?
引用元:Yahoo知恵袋
ペット飼いたくて保護犬保護猫見てたけど、条件厳しいよね😂
たまたま知り合いが猫拾って里親探してたから条件なく猫ちゃんは飼えたけど。私は犬が飼いたいんだよー!!
結局ペットショップに頼るしかないのか😂
引用元:X(旧Twitter)
子どもの里親になるより犬猫の里親になる方がよっぽど条件厳しいもんね……共働き不可とか同性カップル不可とか
引用元:X(旧Twitter)
このように、命を守るための厳格なルールが存在するのも事実です。しかし、すべての場所がここまで厳しいわけではありません。
私が利用した施設では、厳しい審査がなかった理由

世間では「里親=審査が厳しい」というイメージが定着していますが、私が雪と出会った施設では、驚くほどスムーズに話が進みました。
共働きで未就学児がいる我が家でも、門前払いされることはありませんでした。
その理由は、おそらく「繁殖引退犬」を専門に扱っていたことと、運営方針の違いにあります。その施設では、家庭環境を細かくチェックして「完璧な飼い主」を探すよりも、一頭でも多くの犬に「普通の家庭の温かさ」を知ってもらうことを重視しているようでした。
もちろん、誰にでも渡すというわけではありませんが、こちらの飼育に対する意欲や家族の総意を汲み取ってくれる柔軟さがありました。
厳しい環境調査や面談がない代わりに、こちらの施設では明確な譲渡費用が設定されていたのも特徴です。ペットショップの生体価格と比較すると安価に感じますが、これはあくまで「命のバトン」を繋ぐための実費。この費用があることで、施設は次の犬を保護し、適切な医療にかけることができます。
厳しい条件で立ち止まってしまうよりも、適正な費用を負担することで、私たちのような「共働き・子育て世帯」でも里親になる道が開けたのだと感じています。
まとめ
「未就学児がいるから」「共働きで世帯年収も高くないから」と、大好きな犬との生活を諦めている方も多いのではないでしょうか。しかし、世の中には画一的な条件だけで判断せず、一人ひとりの事情に寄り添ってくれる施設が必ず存在します。
ペットショップへ行く前に、ぜひ一度、保護犬や譲渡犬という選択肢を検討してみてください。条件の壁を越えて出会える運命の1頭が、あなたと家族の帰りを待っているはずです。

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